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2014年10月17日

平成26年介護事業経営実態調査結果③(資料から読み取ること編)

 3回にわたって平成26年(2014)介護事業経営実態調査結果(案)についてさらっと書いて来ました。

 ただ、実際、介護事業の経営を行なっている人からすると物足りないでしょうね。大体、私の知っている人たちは、資料から報酬ややるべきサービスがどう変わっていくのか予測しながら先読みしている人が多いですね。

 すみません。

 このブログでは、介護事業に興味があるんだけどはじめるについて情報を集めたい人をイメージして書いているので、まだまだ深いところの記述がないのです。

 ただ、実際に介護事業をしているけどこういう資料が出ていることを知らないで、介護報酬の改定によって介護事業の収入・売上に振り回されている事業所の方もいると思います。

 その人たちの参考になればとも思います。

 この経営実態調査は、介護の報酬改定に向けての資料とするために調査されています。

 今回の平成26年調査は、平成27年にある介護報酬の改定の基礎資料になると思います。

 これらの調査から見ると、介護事業って儲かるんだなと簡単に思わないで欲しいですね。

 前回までの介護事業の収入・売上、支出、収益率をみると居宅介護支援だけが赤字になっていましたね。

 けれどもそれだけをみても上手くいくかはわかりません。

 特に、通所介護(デイサービス)については、平成23年実態調査で12%程度あったのが今回、10.6%に低下しています。しかし、「まだまだ税引き前利益が10%もある事業って今の日本でないよ」と思っている人はほとんど失敗すると思います。

 介護事業を開業するためにはある程度の規模が必要になります。

 それはなぜか、通所介護(デイサービス)についても小規模な事業所と中規模以上の事業所があり、小規模事業所(150回以下)の税引き前利益は、0.7%になっています。ほとんど赤字すれすれで、少しでも利用者さんが休んだり、営業が上手くいかないととたんに赤字になります。平成23年でも1.4%ですが、そのためお泊りデイサービスなどの付加サービスを組み合わせているんでしょうけど・・・。

 ちなみに、少し規模が上がると(151~300回)になると7.7%(平成26年)に急激に経営状態がよくなりますが・・・。

 この小規模型デイサービスは、最初にはじめる初期投資が少なく新規参入しやすい事業形態でした。それに、FC(フランチャイズ)での参入もかなりある事業形態でした。

 増加についても、小規模型デイサービス:7,075事業所(H18.4)⇒21,218事業所(H26.3)(+約200%)となっています。

 じゃあなぜ、大きくしないかは、まず、人員の問題です。定員が10人以下のデイサービスの場合は、看護職員の配置がいりません。看護師を雇えるか雇えないかが大きな壁となります。また、定員規模が大きくなればなるほど、大きな箱(建物というかスペース)を確保しなければなりません。そのため、参入がしやすい形態を選ばれたんだと思います。

 しかし、今は、デイサービスもかなり急激に出来たので利用者の確保という問題が出て来ました。競走が激化したのです。

 そこにいたって、前回の報酬改定で、通所介護(デイサービス)の部分が実質減額改定されたので経営環境が厳しくなっています。

 ただ、単純に減額改定とかけないのは、時間によって報酬形態が変わる改定を行なったので報酬額だけでは、比較しにくいです。

 そういう感じで、金額だけでは計れない状況があるのでこの資料と報酬基準を基に充分検討してくださいね。

 もちろん改善しているところもあります。改善しているところは、施策として育成したいところ、これ以上削ると経営できないところ、要望が多かったところなどが考えられます。

 削られるところは、もちろん財源には限りがあるので全体に削減したいところですが、サービスの供給も過剰になっているところ、収支率がいいところなどがあると考えられます。

 そんな感じで、介護事業を開業するためには、介護事業に新規参入するためには、かなりの知識が必要とされます。

 そんなときは、是非、ビリーブ行政書士事務所にご相談ください(笑)

 また、行き詰まりを感じている介護事業を運営されている方たちの相談もお受けします(笑)

 というのは、冗談ですが、せっかく厚生労働省などから有益な情報が公開されていますから勉強していただいて、よい介護サービスを提供してください。

 前々回は、収入・売上にいて。前回は、支出・収支率について書いています。

 最後までお読みくださりありがとうございました。(③/③)