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就労継続支援(A型・B型) ①

2014年06月13日

 よくあるお問い合わせのなかに「新しく障害福祉サービス事業所を開設したいんですけど、就労継続支援事業のA型事業とB型事業のどちらをすればいいでしょうか?」というものがあります。

 就労継続支援A型事業のサービスの概要は、企業等に就労することが困難な者につき、雇用契約に基づき、継続的に就労することが可能な65歳未満の者下記の対象者に対し、生産活動その他の活動の機会の提供、その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練、その他の必要な支援を行います。

 対象者は、企業等に就労することが困難な者であって、雇用契約に基づき、継続的に就労することが可能な65歳未満の者(利用開始時65歳未満の者)。 

 具体的には次のような例が挙げられます。

 ① 就労移行支援事業を利用したが、企業等の雇用に結びつかなかった者

 ② 特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが、企業等の雇用に結びつかなかった者

 ③ 企業等を離職した者等就労経験のある者で、現に雇用関係がない者 

 ・ ・ ・  何のこっちゃいと思うと思います

 ざっくり言うと、一般企業等で働いていない、ある程度働く能力がある障害者が、障害福祉サービス事業所と雇用契約を結んで働く雇用形態になります。

 雇用契約を結ぶので、各種の労働や社会保険等の法令上の規制にかかることになります。

 例えば、最低賃金の適用、雇用保険の適用、健康保険への加入、厚生年金の加入などです。

 障害者にとっては保障が充実しているので人気のある事業形態です。

 事業を行なうために必要な条件としては、人員基準と設備基準を満たすことです。

 まず、人員基準は、管理者、サービス管理責任者、職業指導員、生活支援員が必要です。

 事業所の利用者数によって必要な人数が決まります。

 管理者は、事業所の管理を行なうための責任者。

 サービス管理責任者は、障害者支援において一連のサービス提供(支援)において計画を立て実施していく責任者です。実務要件と研修要件をクリアした有資格者です。

 職業支援員、生活支援員は、職業上の技術を習得させる訓練や生活の悩み事などの支援を行います。作業指導や生活支援を通じて障がいのある人たちの社会で暮らしていくお手伝いをします。職業支援員、生活支援員になるために特に必要な資格はありません。ただし、社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士などの国家資格を保有しておくことは望ましいです。

 設備基準は、訓練・作業室、相談室、洗面所・便所、多目的室、その他運営に必要な設備とされています。 

 就労継続支援B型事業のサービスの概要は、通常の事業所に雇用されることが困難な障害者のうち、通常の事業所に雇用されていた障害者であって、その年齢、心身の状態その他の事情により、 引き続き当該事業所に雇用されることが困難となった者、就労移行支援によっても通常の事業所に雇用されるに至らなかった者、その他の通常の事業所に雇用されることが困難な者につき、生産活動その他の活動の機会の提供、その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練、その他の必要な支援を行います。 

 対象者は、就労移行支援事業等を利用したが一般企業等の雇用に結びつかない者や、一定年齢に達している者などであって、就労の機会等を通じ、生産活動にかかる知識及び能力の向上や維持が期待される者。具体的には次のような例が挙げられます。

 ① 就労経験がある者であって、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった者

 ② 就労移行支援事業を利用(暫定支給決定での利用を含む)した結果、B型の利用が適当と判断された者

 ③ 上記に該当しない者であって、50歳に達している者又は障害基礎年金1級受給者

 ④ 上記に該当しない者であって、地域に一般就労の場やA型の事業所による雇用の場が乏しく雇用されること又は就労移行支援事業者が少なく利用することが困難と区市町村が判断した者(平成26年度までの経過措置)

 同じく何のこっちゃですね。

 一般企業等で働いていない、働くことが難しい障害者に雇用契約を結ばずに生産活動やいろいろな支援を行なう事業形態です。

 福祉サービスの提供、支援を行なう側面が強くなります。

 雇用契約を結ばないので、最低賃金の保証はありません。その他の雇用保険の適用、健康保険への加入、厚生年金の加入の必要はありません。

 事業を行なうために必要な条件である、人員配置基準、設備基準は、就労継続支援A型事業所とほとんど同じです。

 ただ、障害者の支援の成果としていただく報酬については、B型事業ではより障害者に手厚い支援を行なわないといけないことから一定の条件で職員の配置を増やすと報酬が増えます。

 これまた、ざっくり言うと障害の程度が重い、支援をより必要とする人を対象とするのが就労継続支援B型事業所です。より軽いものが就労継続支援A型事業所です。   

 今回は、イメージをつかんでいただきました。

 次回に続きます。(①/④)