福岡の行政書士ビリーブ

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就労継続支援(A型・B型) ③

2014年06月15日

 次は、就労継続支援B型事業についてです。


 就労継続支援B型事業の総量規制とは何ですか?と言うところだと思います。

 と、その前に、障害者自立支援法で目の敵にされた観のある授産施設ですが、私は、社会的に無用ではなく、社会的に意義のあった事業形態だと思っています。

 施設の努力も足りなかったことはあると思いますが、障害者の就労や工賃の向上について、経済状況・社会的状況や障害特性など多くのことを考える必要があったと思います。

 ただ、障害者自立支援法の制定時の目的意識が正しい部分もあったことは確かです。

 障害者総合支援法でもこれまでのあり方が、どんどん改善(いい部分は残して)されていくと良いと思います。

 すみません。話が脱線しました。

 就労継続支援B型事業について、国は行政コストの固定化をまねくと考え就労継続支援B型事業をあまり作らない方針を出しました。

 ただし、やはり就労継続支援B型事業のサービスを必要とする障害者がいますので各市町村においてそのサービスの需要を推測し、必要なサービス量の計画を立て予算を確保することとなりました。

 そのため、市町村の計画に入らないと就労継続支援B型事業はできません。

 「じゃぁ、できないならA型事業をするしかないよね」となりますが、A型事業は、誰でもできるので、今後ますます競争が激しくなることも予想されますし、誰でもできるA型事業所が増えないと言うことは、事業をやるメリットがあまりないということになります。

 それに比べて、B型事業所は、行政が計画した需要が必ずありますし、他からの参入も容易ではありません。

 ただし、認められにくいので何年もかかることもあります。

 また、重度の障害者の支援をしなければならないと言うことですので、障害者に接したことがない人たちが事業を行なううえで非常に高いハードルになると思います。(そのために、私がいることを思い出してくださいね(笑))

 しかし、A型事業に比べ福祉事業自体では、安定します。

 一番の問題は、障害福祉サービス以外の事業の収益になると思います。

 これは、A型事業所もB型事業所も何らかの生産活動が必須であり

 そのために最低賃金、給与や工賃の問題が出て来ます。

 A型・B型事業と一緒に行なう生産活動、多分これは普通の事業(食品製造、役務、工場の下請け作業、農業、飲食店など)の生産性・収益性が、重要な要素になると思います。

 生産活動の収益性が高く、比較的軽度の障害者に働いて欲しいと思う場合が、A型事業だと思います。

 生産活動の収益性が低く、比較的重度の障害者の支援を行ないたいと思う場合が、B型事業だと思います。

 と、文章だけ書くと、A型かなと思うでしょう。

 ところがですよ・・・。

 大体、事業所は20人が最低定員となりますが、障害者に給料を月10万円支払うとすると20人×10万円×12ヶ月=2,400万円/年

 障害者の人件費に年間約2,400万円を支払わなければなりません。

 少なくとも粗利益で2,400万円を確保しなければなりません。

 これは、相当難しい数字だと思います。

 B型だと同じ計算で、平均工賃を1.5万円だとすると、20人×1.5万円×12ヶ月=360万円/年となります。

 そうなると、B型事業の方がいいと考えると思います。

 でも、重度の障害者の支援や指定に時間がかかるのか・・・。

 など、悩みがつきません。

 次回に続く・・・・。(③/④)